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検索エンジンがあまりにも成功を収めたために、現在のウェブでは、ほとんどの企業が自社のコンテンツ(商品情報)作りに評価基準を持てないでいる。どんな優れたコンテンツでも検索エンジンにかからなければゴミとみなされる一方で、検索トップ表示された企業のコンテンツ(商品情報)がゴミという例も後を絶たない。
この現象を、企業がウェブのトレンドにマッチし切れていないからだと考えるか、それとも、ウェブ全体にわたるビジネスモデルがまだうまく機能していないからだと考えるか、はその人の立場次第だ。Web2.0(ウェブ・ニーテンゼロ)を取り巻く環境と相通じるところがある。
「マスコミで過熱する話題やブームは、ウェブサイトの運営にはさほど重要ではない。顧客に奉仕するには、巷の大騒ぎを気にするよりも、質の向上と、簡単で使いやすいウェブサイトの実現に力を注ぐことの方がずっと重要である。」 (J.ニールセン「Webにまつわる大騒ぎは見当違い」)
この現在をWeb Bubble 2.0時代とみなして、導師ニールセンは警鐘を鳴らす。すぐにかき消されてしまうのが難点だが、ツボはおさえている。
「業界紙や大手マスコミはもちろん、インターネット業界の専門サイトさえもが、典型的とは言えない少数事例を絶えず取り上げている。繰り返しておこう。あなたのウェブサイトは騒ぎの渦中にあるウェブサイトとは違うということを忘れてはならない。単純で分かりやすく、しっかりと情報を伝えられるウェブサイトを作るための基本に目を向けることだ。地味な活動が注目を集めることはない。しかし、平均的なウェブサイトであれば、その方が確実に事業価値の向上につながるはずだ」 (同)
モルガンスタンレーのアナリストも大騒ぎに加担している一人だ。2005年11月のレポートで彼等は次のようにあおる。 「SFO-広告・マーケティング・販売の垣根はもうすぐなくなってしまう?」 (Morgan Stanley「Global Technolgy/Internet Trends」)
SFOとはSearch(検索)Find(発見)Obtain(購入)のそれぞれの頭文字をとった造語だが、2005年当時の雰囲気をよくあらわしている。広告と宣伝と販売の間にどんな垣根があるのか定かにはしていないが、それはメディアとかチャネルとかの違いを取り上げているだけかもしれない。言わせてもらえば、そんなものは当の昔にタッチポイントというひとつの場にフュージョンしていたのだが。
この考え方は、たとえば、今日の晩に東京湾の花火を屋形船で楽しみたいとか、テレビでやってた敦賀の焼きさば寿司を取り寄せてみたいとか、の需要にはマッチしたかもしれないが、ごく普通の製品を扱っているごく普通の企業にはまったく縁がないことにモルガンスタンレーは知らんぷりしている。 「購入理由のべき乗則」(羊)で考察したように、たとえば、A3対応のカラースキャナーをチョイスするためには、ユーザーは「見つける」だけでも一苦労するのだが、「見つけ」たうえに「学んで」「納得」するとこまで行かなくては購入には至らない。「見つける」だけなら検索エンジンだけでも間に合うが、「学んで」「納得」となるとそれなりのコンテンツが企業のサイトに求められる。
「いずれにしても、Googleのことを気にする必要はない。(略)どう転んでも、ユーザは検索をしたい。ユーザは、その年、もっとも良い仕事をした、スピードの速い検索 エンジンを選んで使うだけだろう。インターネットをどう活用していくか、戦略を立てるのに知っている必要があるのはこれだけだ」 (J.ニールセン)

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