|
前回のエントリーで、アマゾン・ランキング1位の書物の売上(部数)を10万部と推測した。よりどころはZipf分布と『あたりまえだけどなかなか書けない文章のルール』 (以下「文章のルール」)のランキングの推移とその間の売上部数だったが、大きな落とし穴があった。ランキングは累計で算出されていると勝手に思い込んでいたのだ。いま「文章のルール」のランキングは1355位(28日午後7時)。こりゃ変だわ。累計ならこんな急激に下がるわけないですね。どこがいけなかったんだろう。たまたま手に取った本にその答えがあった。「百年に一度の洪水」以上に予測できないものはない。

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 (単行本) デイヴィッド サルツブルグ
「文章のルール」が1時間で200冊売れたのは、100年に1度の大洪水だった。ということは、「めったに起きないこと」は、どう予測できるのか?という帯のコピーと同じような予測を、アマゾン・ランキングは実行しているに違いない。でなければ、「文章のルール」のその後のランキングの下落を説明することは難しい。ランキングの下落は、大洪水で溢れた川の水位が正常にもどることと同じなのだから。
これまで起きたことがない、起きたとしても1回ぐらいしか観測されていない洪水の水位をどうやって推定するのだろう。これは、今では「極値分布についてのティペットの3つの漸近分布」として広く知られているH・C・ティペットの解法を適用することで解決する。
「もし、極値の分布と通常値の分布の関係がわかっているならば、毎年の最高水位を記録しつづけ、百年に一度の洪水を起こしかねない水位を予測できる」(第6章「百年に一度の大洪水」)
おかげで、アメリカ陸軍工兵隊は河川の堤防をどのくらいにするかを計算できるし、アマゾンはある単位時間ごとの売れ行きを記録することで、ある一定期間における売上部数の最大値を算出することができる。一時のきまぐれでランキングが突出しても、24時間もたてば通常(の予測値)に戻っていくのはそのためだ。
余談ですが、筆者の卒論のテーマはフィッシャーの確率論であった。タイトルは「勝ち馬投票における破産の理論」。競馬必勝法のなれの果てです。
ここまで読んだらチェック!
オリーブオイルとオリーブ石鹸とオリーブ茶のオリーブの木。
|
ビジネス ( 16 )
IT 情報通信技術 ( 32 )
インターネットCMの短い歴史 ( 32 )
羊をめぐるマーケティング ( 14 )
マーケティング戦略論 ( 42 )
マーケティングの実際 ( 92 )
大不況のマーケティング ( 27 )
One to One 再発見 ( 15 )
ブランドとその周辺 ( 30 )
情報のロングテール ( 19 )
Web 2.0 ( 15 )
アマゾンはリアル店舗 ( 12 )
ヤフーの考古学 ( 25 )
裏ドラッカー ( 22 )
世界の街から ( 123 )
ライブラリー ( 22 )
特ネタ本ライブラリ ( 8 )
世界のビール ( 16 )
その他 ( 6 )