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「富士通FMVのテレビCMで、最後に「地底人の秘密」と入力して検索してみせるシーンが出てくるものがある。こうした手法は以前から他の会社のCMでも商標名を入力させるなどしばしば見かけるようになっていた」 (高木浩光@自宅の日記2006/06/05)
高木さんのご指摘通り、マスコミ広告→キーワード検索→自社サイト誘導という図式は「しばしば見かける」ようになったクロメディア手法だ。とはいえ、地底人の秘密をかぎつけたからといってFMVのことがわかるわけでもないので、これは知名度、興味度をあげるため(だけ)の広告表現と割り切っていいか。
同じクロスメディア手法をとっても、これと対極にある広告表現を採用しているのがVAIO。担当者の言い分を聞こう。
「多くの企業が検索時に製品や企業の名を上位に登場させるSEO(検索エンジン最適化)技術に投資しているが」 「自分たちが勝負しようと考えている部分を、とことん言葉で語ってみようと考え、その結果、自然に出てきた」 「物語で語りかけると、消費者はその情報を思い出してくれる。思い出してくれれば、ネットで検索してくれます」(5月24日付け日経産業「ブランドを高める物語力」より抜粋)
昨年5月から今年3月まで毎週(!)、全国紙に掲載した物語は、今でもソニー・サイトの「VAIOgraphy」で読むことができる。なんとも辛気臭い話だが、価格・性能では「サプライチェーン・マネジメント(SCM)に突出するデル」(同)に勝てないため、やむを得ない手法なのかもしれない。ついでに言えば、こういった「こだわっている部分について、言葉をつくして語る」(同)という広告表現手法を、ナラティブ・メソッドと呼ぶらしい。
もちろん、広告表現戦略がマーケティング戦略と独立ということはありえない話なので、富士通とソニーのどちらがどうということでもない。うまくいくか、いかないかだけが判断基準だ。次の米系パソコンメーカー2社にとっても。
「デルとヒューレット・パッカード(HP)の米系パソコンメーカー2社は国内個人向け市場で攻勢を強める」(6月6日付け日経)
デルは「専用ウェブを設けるなどして高級感を打ち出し」、HPは「新ブランド立ち上げキャンペーンとして限定モデル2機種」を発売する。いずれにしても、地底人ともナラティブとも無縁のマーケティングには違いない。
本日の知恵のネットワークス: 「地底人の秘密」のセキュリティ脆弱性:検索で誘導するテレビCM手法の不安(高木浩光@自宅の日記2006/06/05)
高木さんはネット・セキュリティの専門家なので、冒頭に引用させていただいた部分は当然、セキュリティに関する話題です。彼のエントリー・テーマは2段落目にあります。
「しかし、本物のキャンペーンサイトが検索のトップに出てくるとは限らない。「ある日突然、なりすましサイトがトップに出る」ということも起こり得る。(フィッシング詐欺など。) 」
そのコピーは(変じゃなくて)エエやろ9・パソコンか、はたまたテレビか(だから問題はコミュニケーションにあるんだよ2006/04/01)
「そのコピー変やろ」シリーズでは、VAIOの広告コピーについて、たびたび言及されています。できれば、すべて当ってみてください。

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