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One to Oneマーケティング再発見・その8
ロングテールがOne to Oneの頂に登りつめるためには、検索(サーチ)エンジンというツールが必要だった。これは、行動ターゲティングにもあてはまる。検索という行動をとらえられなかったら、行動ターゲティングの威力は半減していただろう。クエリ(検索キーワード)は、ユーザーの最終目的地を指し示す。検索の動機が商取引の場合は、何が欲しいかの最良の予測となっている。これ以上に何が必要だろうか。到着地に欲しい商品(完成品)があることである。ユーザーの行動をトレースし、その行く手に望む商品を差し出す。今は買わないが将来は買うかも知れない商品も、ロングテールから速やかに呼び出される。検索キーワードという呪文の力で。
One to Oneマーケティングの現在の到達点は行動ターゲティングとロングテールであり、両者は検索キーワードによって結びつけられている。One to Oneのエッセンスは「探すの手伝ってよ」ということである。これはキーワード・マーケティングそのものでもある。 キーワード・マーケティングがニッチ3.0 の手法であったようにOne to Oneは究極の市場細分化(ニッチ)だ。そこでは、「ハリーポッター」も「ハリーの災難」も等価に扱われる。
すでに明らかなように、現在のOne to Oneマーケティングの限界は検索エンジンの限界にある。アメリカの代表的な企業のウェブ・サイトは、100~200のキーワードについて検索エンジン適合化(SEO)を実施しているといわれる(ClickZ: Study: Top 4 Percent of Queries Matter Most) 。他のプレーヤーの戦略を所与とした場合、どのプレーヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせ、言い換えれば、どのプレーヤーも戦略を変更する誘因を持たない状態をナッシュ均衡と呼ぶ。ウェブ・サイトで商品情報を提供するプレーヤー(企業)は、検索エンジンに依存する限りナッシュ均衡から抜け出せない。
ウェブ・サイトにとどまらずマーケティングのあらゆる局面において、検索エンジンからの解放はこれからの数年間「重要な戦略的課題」の一つになっていくだろう。
本日の知恵のネットワークス: つきあい方の科学―バクテリアから国際関係まで Minerva21世紀ライブラリー R. アクセルロッド (著), Robert Axelrod (原著), 松田 裕之 (翻訳)
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