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日付 2006/10/30 12:09
 
タイトル ソフトバンク、待たすマーケティング?(羊)
 
カテゴリ
マーケティングの実際
 

慢性的な品不足状況を演出することによって、圧倒的な売り手市場を作り出すマーケティング手法がある。これを「待たすマーケティング」と呼ぼう。待たすマーケティングは次の3つに分類される。

1) 予約マーケティング
あらかじめ予約していただくことでユーザーの満足度をたかめようとするマーケティング。期待のマーケティングとも。
2) 注文生産マーケティング
客は待つことが当然という認識を持って商品を注文し、生産者は計画的な生産ができる。
3) 限定マーケティング
数や期間などを限定することによって、客の購買欲を刺激する。急かすマーケティングとも。
(福田成美ほか「限定マーケティング:2めまいをつくるプロモーション戦略」より)

この3つ以外、たとえば予想外の注文殺到によるパニック、初期不良による生産の遅れ・出荷の停滞、早すぎた発表による準備不足などは、明らかなミス・マーケティングであって待たすマーケティングの範疇には入らない。

待たすマーケティングは、おおまかに言えば、人気があって常に品不足であることの演出である。そのために材料を厳選していること、製造に時間をかけていることを誇示したり、商品の希少性や時には芸術性を訴求したり。つくりにくさ、歩留まりの悪さは欠点ではなく、逆に高性能の証しとなる。期間・地域・個数・扱い店舗の有限性は、待たすことへのエクスキューズを超えてプレミアム・ブランドへの条件となっている。

待たすマーケティングはわが国では1991年、ホンダが前年に発売したNSXが納車まで4年待ちという事態になって突然脚光を浴びた。4年は「予想外」であったらしいが、さすがにホンダ、「場合によっては注文から一年程度待っていただく」(日経 1991/1/14)つもりで準備はしていた。こまかいところを省くと、ホンダが実践した「待たすマーケティング」の実態はこうなる。

1) 対応する営業マン・サービスマンの特訓:NSXの投入を前に“エグゼクティブ研修”“NSX研修”という特別研修を受けさせた。
2) 待たせて怒らせたり、キャンセルさせたりしないように制度的プログラムをあらかじめ用意:「わくわくプログラム」と名づけられたサービスでは、プロモーションビデオのほかハードカバー200ページの豪華本“Book of NSX”がセールスの手で届けられる。さらに隔月刊の小冊子“NSXプレス”が郵送されてくる。
(福田成美、前掲)

さて、ソフトバンク。システムダウンは「想定内」の演出なのか、それとも「予想外」のミス・マーケティングなのか、それはこれからの「制度的プログラム」にかかってくる。そんなものがあればの話だが。

本日の知恵のネットワークス:
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投稿者 CMO
 
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