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日付 2007/08/03 17:54
 
タイトル ウェブ・ニーテンゼロの現在(羊)
 
カテゴリ
Web 2.0
 

以前のエントリー「ウェブ・ニーテンゼロ的日常」(羊)で、マスコミで過熱する話題やブーム(=Web 2.0)は普通の企業のウェブサイト運営にはさほど重要でない、という意味のことを書いた。それから1年が過ぎたわけだがそのあたりの事情はどうだろうか、ということでウェブ・ニーテンゼロの現在をとりあげる。

結論から言うと、事情はほとんど変わっていない。というか、大騒ぎに巻き込まれて「今日からわが社もニーテン・ゼロ」とばかりに、マッシュアップやウィジェット配りに血道をあげていた企業がいつの間にか手を引いていたり、我田引水で2.0を標榜してみたけれど中身がないので萎んだままになっていたり、で熱は冷めつつあるようだ。メディア・パブさんも今年の3月のエントリー「Web2.0が失速?!」で「Web2.0ブームが終わりそう・・・」と報告されておられる。期待したほど効果が上がらなかったのはPRが足りなかったからだとそそのかされて、セカンドライフに屋上屋を重ねている企業もあることはあるが。

Web 2.0は、そもそもの出発点からして普通の企業(のウェブサイト)とはほとんど無縁のムーブメントであった。2005年のオライリーの「Web 2.0の7つの定義」からおさらいしてみよう。

1) パッケージでなくサービスを提供していること。
2) 独自性があり同じようなものを作ることが困難なデータソースをコントロールできること。そしてこのデータソースはそれを利用しようとする人たちによってより充実していくものでなければならない。
3) ユーザーを信頼し、共同開発者とすること。
4) 集合知を利用すること。
5) 顧客のセルフサービスを通じてロングテールを取り込むこと。
6) 単一のデバイスを枠超えたソフトウェアを提供すること。(プラットフォームを選ばないこと。)
7) 軽量なユーザーインターフェース、開発モデル、ビジネスモデルを有すること。
- What Is Web 2.0  Design Patterns and Business Models for the Next Generation of Software by Tim O’reilly 2005.09.30(Mizuho Industry Focus Vol. 47より孫引き)

お題でわかるようにオライリーの定義はソフトウェアの話であって、しかもソフトウェアの製作者サイドからの物言いである。それがどういうわけか、企業の事業コンセプトにまで話が及び、ついには「1.0と2.0」とか「こちら側とあちら側」とか「旧世界と新世界」とかの2項対立を持ち出して、経営方針にまで口を出すようになった。たとえばこんな具合に

今、日本企業の幹部の方々は、iPodで大成功したAppleのような新しいビジネスを作りたいと考えている。ただApple社も、あちら側に渡れた会社ではありません。あちら側のサービスを示しながら、こちら側のハードウエア事業で儲けている会社です。
- 梅田望夫(CNET「ウェブ進化論の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”」より)

こんな物言いに煽られて「ウェブ進化論」を必読図書として全社員に買い与えた社長さんがいたりして、Web 2.0はIT時代に企業が生き残るためのサバイバル・ツールとして流布されたりした。「ウェブ進化論」の著者が意図したかどうかはわからないが。

オライリーの定義に戻ってみれば、Web 2.0は企業の経営マネジメントとはおよそ関係のない態度であることがわかる。結局、Web 2.0は、1.0に乗り遅れた(儲け損ねた)だれやかれやが、「オレにもわけまえよこせ」と騒いだだけのムーブメントにすりかえられてしまった。

ただし、企業のウェブサイト(作り)に関して言えば、このムーブメントが少なからぬ影響を与えているように見える。とくにオライリーの定義の3)4)5)が、ユーザー参加型コンテンツ(CGM)の登場(普及)を促したようにも見えることから、Youtubeとかmy spaceに代表されるCGMがWeb 2.0の代名詞のように扱われたりする。では、普通の企業のウェブサイトではどうなのか?このあたりを次回検討してみる。(つづく)


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投稿者 CMO
 
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