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日付 2007/08/22 09:39
 
タイトル レビュー、レーティング~顧客の声をウェブへ(羊)
 
カテゴリ
Web 2.0
 

前回は、ネット販売サイトではレビュー、レーティング、アフィリエイトなどユーザー参加型のコンテンツを積極的に活用しており、それはネット販売の黎明期から仕組みとして取り入れられ発展してきたものであった(たとえば、アマゾン)、Web 2.0が話題に上るようになって改めてこの仕組みにスポットライトがあたり、レビューやレーティング機能を備えたネット販売環境をネット販売 2.0と称する人もでてきた、というような話をした。

今回は、ネット販売ではない一般の企業のウェブサイトはどうなの、という話である。結論から先に言うと、+普通の企業はウェブ・ニーテンゼロに大騒ぎする必要はない +ただしユーザー参加の仕組み(およびコンテンツ)は取り入れたほうが良い +今はその仕組みが作りやすくなっている、というものだ。ひとつずつ見ていこう。

+普通の企業のウェブサイトは、騒ぎの渦中にあるニーテンゼロ的サイト、たとえばミクシ、ユーチューブ、マイスペース、セカンドライフなどとは違う。もちろん、ヤフーやグーグルやニュース・サイトとも根本的に違う。導師ニールセンは1年以上も前から警鐘を鳴らしていた。

業界紙や大手マスコミはもちろん、インターネット業界の専門サイトさえもが、典型的とは言えない少数事例を絶えず取り上げている。繰り返しておこう。あなたのウェブサイトは騒ぎの渦中にあるウェブサイトとは違うということを忘れてはならない。単純で分かりやすく、しっかりと情報を伝えられるウェブサイト を作るための基本に目を向けることだ。地味な活動が注目を集めることはない。しかし、平均的なウェブサイトであれば、その方が確実に事業価値の向上につながるはずだ。
- J.ニールセン「Webにまつわる大騒ぎは見当違い」)

企業のウェブサイトの一番大きな役目は、商品情報を消費者に届けることだ。やるべきことはたったの2つ

1) 消費者に理解できる情報を届けること。
2) 届けるコスト(費用対効果)は最小限におさえること。
- 羊をめぐるマーケティング・おさらい

ニーテンゼロ的企業の旗印みたいにもてはやされた社長のブログ、きのう食ったイタメシがうまかったなど社長のたわごとのどこに、自社の商品(の価値を高める)情報があるのだろう。コストはかからないかも知れないが、理解できる商品情報もまた皆無だ。いわゆるリッチコンテンツに大枚はたく大企業の宣伝部長も大馬鹿野郎だ。とるに足りないことを動画で飾り立てても、それは所詮とるに足りないということが、この人たちには理解できないらしい。カンヌでライオンを取るためだけのコンテンツ作りなど早くやめたほうが良い。

+ニーテンゼロで企業が学ぶべきただ一つは、ユーザー参加の仕組み作りだ。満足した顧客は最高のセールスマン。クチコミの有効性はこの一条につきる。従って、商品情報(コンテンツ)の一部として満足した顧客の声を掲載することは効果がある。メディアに表れる商品情報は氷山の一角だ。海面下にはその商品に付随する膨大な情報が埋もれている。顧客の体験情報はほとんどが海中に没したままである。クチコミは情報のロングテールなのだ。羊の主張するインフォテール=情報のロングテール論は、1個の商品に関する情報についての考察であった。私たちが「すべての情報をWebへ」と強く主張できるのは、すべての商品情報をウェブへ集積することにより、適切なナビゲーションのもとで顧客は自身の求める要望に応じてウェブ上で解の組み合わせをチョイスすることが可能になったからである。

ところで、顧客の声が効果を発揮するのは、その情報が信頼される限りにおいてである。アマゾンのレビューやレーティングがうまく機能したのは、信頼するに足る情報提供(コンテンツ作り)を、仕組みとして持っていたからだ。逆に、アップルがネット直販商品のレーティング機能を早々と取り払ったのは、評価を操作していると疑われたからだ。膨大な顧客の声から個性をすべてそぎ落とし、評価の最大公約数としてのみ差し出すレーティング。どんな顧客の声も、ポジティブな意見もネガティブな意見も、一人一人の声を等価に扱うレビュー。データから属性をすべてそぎ落とす統計学的手法と、すべての情報を等価に扱うロングテール的手法から、はじめて信頼するに足る情報の集積が可能になった。もちろんインターネットなくしてのオペレーションはありえない。

+さて、企業のウェブサイト。ネット販売で主流になりつつあるレビュー機能など、その気があればすぐにでも始められる。ポジティブな評価の方が多いこと、ネガティブな評価は潜在的な問題点を洗い出す有効なツールになること、評価を知ってから買うのでクレームが減ること、などの傾向がすでに観察されている。クチコミを目的としたブログやSNSなどには金を出すべきではない。SNSに限らず、一企業がマーケティング活動の一環として運営するコミュニティサイトは、ほとんどがすでに破産している。クチコミはもともとが Let-It-Go(コントロール不能な)メディアである。企業ができることは、体験情報を集めることと隠さず差し出すことだけである。仕組みさえ整えておけば、コンテンツはユーザーが作ってくれるのでこれほどラクなことはない。いきなりナマの声はちょっとということであれば、アップルのHot News Headlineように自社製品に関する報道を集めてみることから始めてみる手もある。日本でこれをやってる大企業は見たことがないのが解せない。ほとんど費用がかからないのに。

[情報のロングテール:まとめ]

[目録]インフォテール OR 情報論

[クチコミ関連]

意外にまともな「クチコミの技術」(羊)

インフルエンサー・マーケティングの勘違い(羊)

口コミ商法 ブログで難破(羊)

[ウェブ・ニーテンゼロ関連]

ネット販売のニーテンゼロ(羊)

マーケティングはコミュニティに勝てない?(羊)

ウェブ・ニーテンゼロの来歴(羊)

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ウェブ・ニーテンゼロ的日常(羊)


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投稿者 CMO
 
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