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ブログ記事詳細
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日付
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2007/11/09 15:58 |
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タイトル
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1粒300メートル(羊)
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カテゴリ
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ブランドとその周辺
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日本のブランド・その3:グリコ Good Grips のキッチン用品は、ある男が関節炎の妻のために便利なジャガイモ剥き器を作ろうとしたことから生まれた。この話は十年に渡ってマーケティングに利用され、その結果 Good Grips は巨大な市場シェアを獲得することに成功した。ソフトウェアのデザイナーは、ここから二つのことを学習することができる:障碍者向けの優れたデザインは健常者にとっても有益であるということ。そして、「ブランド」の前にまず有効なプロダクト・デザインがあるべきだということである。 - Good Grips:ブランディングの前にユーザビリティありき(B.タグナジーニ)
私たちであれば、この話からもう一つのことを学習することができる。よくできた物語は、ブランディングに有効であるということである。こういった手法をナラティブ・メソッドと呼んで珍重する向きもあるが、創業伝説はどのブランドにも備わっているから、ことさら珍しい手法というわけではないし、範をわざわざアメリカに求める必要もない。1粒300メートルのグリコ伝説は、わが国における「よくできた物語」の代表である。
江崎グリコの「物語」には3つの山がある。最初の山は、牡蠣エキスからのグリコーゲンの発見・抽出、栄養菓子(グリコ)としての商品化。二つ目の山は、赤地に日の丸を背負ったランナーが両手を挙げてゴールインする、いわゆる「ゴールインマーク」の商標登録と「一粒三百米」のキャッチフレーズの案出。そして三つ目の山が、いわずと知れた「おまけつき」。いずれも創業者にしてグリコ生みの親、江崎利一の創案である。
最初の山は次のように描かれている。
1919年(大正8年)の春、薬種業を営んでいた江崎利一は、郷里・佐賀県の有明海沿いの堤防で、漁師たちが牡蠣の煮汁を捨てているのを目にしました。その時ひらめいたのが、薬業新聞で見た「牡蠣にはエネルギー代謝に大切なグリコーゲンが多く含まれている」という記事。利一は「煮汁にグリコーゲンが入って いるのでは?」と考え、九州大学に分析を依頼、その結果、多量のグリコーゲンとともにカルシウムや銅分が含まれていることがわかりました。 そんな矢先、長男が病にかかりました。病状は峠を越したものの、医者もさじを投げるほど衰弱していました。 そこで利一は、はしの先にグリコーゲンのエキスをつけ、長男の口に少しずつ運びました。やがて長男は元気を取り戻したのです。 こうした劇的な出合いから、グリコーゲンの活用を広めたい!という利一の思いが強くなり、まず薬への利用を考えます。しかし九州大学の先生から「治療よりも、病気にならない体をつくる予防が大切だ」とアドバイスされます。なるほど治療よりも予防が第一、それなら健康づくりのために活用しようと決意したので した。 グリコーゲンを一番必要としているのは育ちざかりの子どもたちだ!そこで利一は、子どもがよろこんで食べるお菓子、中でも当時洋菓子として人気が高まってきていた、キャラメルに入れようと思いました。栄養菓子グリコのスタートです。 - グリコーゲンと栄養菓子グリコ(江崎記念館 会社の歴史)
グリコーゲンと出合った(1919年)ころの利一は、父から引きついだ薬種業を営むほか、九州でも指折りの葡萄酒業者として知られていた。しかも当時は、第一次世界大戦後の恐慌の真っ只中。一歩間違えれば愚挙という切羽詰った状況での大阪移転・新事業の立ち上げが「人びとの健康増進に役立てるという大目標のためには、当座の苦難も承知のうえ」という語り伝えられるべき「物語」を生み出した。
二つ目の山は、商標とキャッチフレーズ。
名称は、グリコーゲンにちなみ、簡潔で覚えやすい「グリコ」に決定。箱は目立つ赤、それも品のよさと食欲をそそる色を追求し、あの特長ある赤い箱が誕生しました。 さて、商標をどうするか。考えごとをする時、利一は、家の近くの神社へよく行きました。ある日、境内でかけっこをしている子どもが両手をあげてゴールインする姿が目に飛び込みました。 「これだ!」―ゴールインする子どもは元気はつらつ、遊びはスポーツに通じ、それは健康への近道です。商標はゴールインマークと決まりました。利一は小学 校の生徒たちに候補のマークを見てもらい、ゴールインマークに人気があることを確かめています。今でいうマーケティングリサーチまで行ったのです。 - 赤箱とゴールインマーク(同)
 ネオンサインがまだめずらしかった昭和初期、道頓堀川に架かる戎橋のそばに、高さ33メートルのネオン塔が出現したのは1935年のこと。(写真は5代目 1996年)
実業家にして稀代の勝負師、江崎利一はまた、傑出したマーケッターでもあった。「一粒三百米」(ママ)もそのとき利一が案出した名コピーである。1955年発売のアーモンドチョコ、「1粒で2度おいしい」のキャッチフレーズは、利一73歳の作と伝えられている。余談ではあるが、現在のグリコのホームページには、どこをさがしても「一粒三百米」の名コピーが見られない。1粒で約300メートル走れる分のカロリーが含まれているという由来が由来だけに、表示基準に厳密を期してのことかもしれない。
最後の山、「おまけつき」も利一の創案である。利一の年譜では、三越への出荷から5年後の1927年のことである。
「子どもたちにとって、食べることと遊ぶことは二大天職」と考えた創業者・江崎利一は、発売初期に入れた絵カードをヒントに栄養菓子グリコに豆玩具(まめがんぐ)を入れて、心・身の健康を一つの箱に収めることを思いつきました。 食べることで健康な体をつくり、おもちゃによって子どもたちの知識と情操を育み、すこやかな心を養うことになると考えたのです。 これまでに生み出されたおもちゃは、2万数千種類、その数約40億個にものぼり、その歴史はひとつの文化といえます。 - おもちゃの歴史(同)
これはこれでいいとして、なぜ5年後であったのかは触れられていない。いかに革新的な商品であろうとも、発売から5年もたてば競合他社ひしめく状況であったのであろう。「おまけつき」の登場で、下降気味だった売上がV字回復を果たした、ということであれば最高マーケティング責任者・利一にいっそうのハクがつくというもんだが。付け加えれば、会社設立から1年後の、はじめて三越で販売を開始した1922年2月11日(当時は紀元節!)をもって創業の日とするなども、物語作者として利一の才能を垣間見るエピソードである。
余禄:「グリコグループの紹介」のページに次の記述が見られる。 “1粒300メートル”の「グリコ」や、「ポッキー」などのチョコレート類をはじめとする菓子、「ジャイアントコーン」「パピコ」などのアイスクリーム、 即席カレーの「熟カレー」や「LEE」「DONBURI亭」などのレトルト食品、「パワープロダクション」などスポーツサプリメントや健康食品まで、幅広い事業を展開してます。(ママ)
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日本のブランド・その1---山高印(羊)
[本日の知恵のネットワークス]
商道ひとすじの記―わがグリコ・わが人生九十余年 (1977年) [古書]江崎 利一 (著)
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