ブログ記事詳細
日付 2008/03/18 10:21
 
タイトル 無料のランチなんて無い - おまけ(羊)
 
カテゴリ
情報のロングテール
 

前回は、クリス・アンダーソンの提唱する「フリー」を紹介した池田信夫「Free」に触れて、たとえ「複製の費用」がタダになったとしても、タダで成り立つ「商品=ビジネス」なんか存在しない、という意味のことを述べた。

その後、それに関連した資料をウェブで探し回ったところ、クリスの同僚Eliot Van Buskirkが書いた「アルバムを無料配布したPrinceの戦略」(日本語版WIRED VISION 2007.07.17)という記事を見つけた。この記事でエリオットは、アーティストPrinceのビジネスについて次のように述べている。

Princeは米Warner Music Group社との契約を1994年に解消し、ピアツーピア(P2P)ネットワークでの音楽の共有を早い時期から支持。さらに、大物アーティストではあまり 例のなかった公式サイトでの楽曲販売に乗り出すなど、長きにわたって革新的な戦略をとり続けている。そんなPrinceが今回計画しているのが、アルバムの無料配布だ。(略)
Princeの新戦略が成功しているのは、このデジタル時代に価値を失いかけているのは楽曲そのものではなく、そのコピーだということを認識しているためでもある。アルバムは、発売から時間がたつほど、友人のCDにせよ、見知らぬ他人の共有フォルダにせよ、リスナーがコピー源を見つける可能性が高くなる。 だが、そうしたコピーの価値がどんどん低くなれば、最終的にはオリジナルのみが価値を認められる。PrinceがMail on Sundayに売ったのは、まさにこの「コピーの発信源になる権利」だ。
- アルバムを無料配布したPrinceの戦略(1)

まさに卓見である。エリオットはこれに続けて、音楽ビジネスの可能な一形態として「一番乗り」を予見している。彼は逆順にしているが、この予見は音楽も含めたデジタル・コンテンツ全般に言えることだ。

ブログや多くのデジタルメディア同様、音楽の流通に関しても、誰が最初に発信するのか、という競争が始まる可能性がある。言い換えれば音楽販売は、場所を確保する時代から、早さを競い合う時代に変わり得るということだ。既存の収入源が先細りの一途をたどっていることを考えれば、バンドや音楽レーベルが、一番乗りになる権利を売ることで、自分たちの音楽からさらに利益を得ようと考える可能性は高い。
- アルバムを無料配布したPrinceの戦略(2)

「複製」はタダだが、最初の「発信」は売り物になるということだ。グレートフル・デッドなら、コピー・フリーはライブ・コンサートを売るためのプロモーションだというだろう。ゴッホのひまわりが便所に貼られる度に、オリジナルの価格は高騰を続ける。

精査したわけではないので勘で言ってみると、クリスの「フリー」マーケティングは、翻訳すれば「おまけ」マーケティングとなる。「おまけ」(何か)はタダだが、「本体」(何か)はそうではない。(何か)は必ずしもデジタル・コンテンツである必要はない。「おまけ」の価値と「本体」の価値は、しばしば逆転したりする。

江崎グリコは、「おもちゃでこころの栄養を、お菓子でからだの栄養を満たし、すこやかに育ってほしい」そんな思いから、1922年、ひとつぶ300メートルでおなじみのおもちゃ付きグリコを発売しました。
- グリコのおまけ?(KATOYUZO.COM)

販管費が粗利を上回ればビジネスは成り立たないのと同様、販管費がゼロでも粗利ゼロならビジネスは成り立たない。限界費用はどこにあるのか。

[関連サイト]

無料のランチなんて無い(羊)
素顔のアテンション・エコノミー(羊)
ライブドアをマーケティングする(羊)

[本日の知恵のネットワークス]

グリコのおもちゃ箱 (ペーパーバック)加藤 裕三 (著)


Free! Why $0.00 Is the Future of Business by Chris Anderson

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (単行本) クリス アンダーソン (著), Chris Anderson (原著), 篠森 ゆりこ (翻訳)


人気blogRankingに参加しています。
上のバナーのクリックをお願いします。

残念ながら本体はタダではありません、しかし。
海外で便利なSIMロックフリーの日本語携帯端末
NOKIA6630


関電SOS「1・2・3」キャンペーンのお知らせ(日本パナユーズ)
●実施期間 2008年1月4日(金)~3月31日(月)

投稿者 CMO
 
この記事の
トラックバックURL
http://www.uportal.ne.jp/WisdomNetworks/Blog/archive/2008/03/18/weblogentry-588/trackback
前のタイトル 無料のランチなんて無い(羊)
次のタイトル Amazon Kindle、待たすマーケティング・その5(羊)