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日付 2008/12/17 12:13
 
タイトル ピンチはチャンスでもある (羊)
 
カテゴリ
大不況のマーケティング
 

大不況のマーケティング、今回は「不況の波は安売りで乗り切れ(羊)」に続き2回目である。メーカーも大変だろうが、小売りはもっと大変である。しかし、簡単には今日の糧(主力製品)をチェンジできないメーカーにくらべて、並べる商品を時間単位で管理できる小売りは、対応次第で売上を上げるチャンスはつかみやすい。

ウォルマートCEOのリー・スコットがテレビのニュース番組に出演、ミシガン州の州知事やグーグルCEOのエリック・シュミットらと経済や政治についてディスカッションしました。そのコメントの中で、私の注意を引いたものをいくつか引用します。
☆食品の購買量がどんどん増えているのだが、とくに冷凍食品が売れている
食品が増えているということはたぶん、外食を控え食材を買って料理する人が増えているということだと理解しました。そして、冷凍食品が売れていると いう点に注目したい。私は最近この分野に注目してまして、セミナーでもこの点に触れることが多いのですが、私の感じていることを裏付けるコメントだと思います。
- [ウォルマート] 景気後退が変える消費行動(鈴木敏仁のRetailweb, 2008.12.15)

鈴木さんは何を言いたかったのか。実はこう言いたかった。「景気後退によって買い物パターンが変わりつつあるということを、ウォルマートとして実感しているという意味だと思います。変化を上手に捉えられる小売企業は好調を維持し、気づかない小売業は衰退する。大変な時期ですが、これを好機とみなせるかどうかが、勝負の分かれ目なのだと思います」(同)。安売りばかりが能ではない、と。

わがローソンも絶好調である。この大嵐の最中に窓を開けとばかり、来期の増配を発表(「ローソン、来期から年間配当を110円から160円に増配」MASAO.YANOシンキングライブ 2008.12.15)している。株価の安定した高値を維持しつつ大胆な施策で投資家を呼び込み、さらにさらに、設備投資を重ねようというのか。

つい最近破産法の適用を申請したばかりの家電量販店(全米2位だった)サーキットシティでさえ、ピンチはチャンス!ばかりに求人広告を出している。残り少ないが年末大安売りの来店客殺到を見越しているのだろうか。ポスターを撤去する費用も暇もなかっただけかも知れないが。


- Circuit City、閉店の案内と求人広告を同時に出す(GIZMODO Japan 2008.12.17)

翻って、わが財界はいかがなものであろうか。

日本経団連の09年春闘方針を示す「経営労働政策委員会報告」は、好調な企業業績を背景に「賃上げ容認」を打ち出した前年報告から一変。悪化一方の景気を 映し、雇用安定さえ「努力する」との表現にとどまり、賃上げ凍結モードにかじを切る内容となった。連合は「物価上昇に見合うベースアップ(ベア)の獲得」 を目指すが、景気の早期回復は絶望的で、労使の隔たりは簡単に埋まりそうになく、09春闘は例年以上に厳しい交渉となりそうだ。【谷川貴史、東海林智】
- クローズアップ2008:09年春闘 不況下、賃上げで激突(毎日JP 2008.12.17)

この声明には、あの連合でさえも珍しく合理的な批判を展開している。

連合は「賃上げこそ最大の景気対策」(高木剛会長)として、8年ぶりにベア要求を復活させ春闘に挑む方針だ。食料品など生活関連物資の値上げで、労 働者の賃金は目減りしている。物価上昇はどの労働者にも賃金の目減りにつながるため、全員の底上げにつながるベア要求となった。元々労使間では、石油危機など大幅な物価上昇局面では、労組が物価上昇分をベアで求め、企業もそれに応える関係にあった。デフレ下の賃金要求ではベア要求しなかった連合には「今要求しないと組合の存在意義にかかわる」との声も強い。
- 同

キヤノン社長時代には「選択と集中、キャッシュフロー経営など他社に先駆けて経営方法を革新した手腕は高く評価」(Wikipedia)されている御手洗冨士夫会長だが、ほんの2年前には「史上最高益をあげながら賃上げには強く反対する一方で、法人税の大幅引き下げを要求。企業の競争力強化のため新しい働き方が必要だとして、非正規雇用のいっそうの拡大と労働法制の改悪」(しんぶん赤旗)を提言している。

前年報告でさえも、「全体として賃金引き上げを抑制するための主張を展開」(連合)と、基調に変わりはなかった。毎日新聞のいう「賃上げ容認」とは大きな隔たりがるある。察するに、御手洗“日本経団連”冨士夫会長は、好況時にあっても「総額人件費の増加額はあくまでこの範囲内で、利払い費、配当、内部留保なども考慮し決定すべき」と屁理屈をこねながら賃金を抑制し、さらに「企業は労使の運命共同体である。労使の緊密なコミュニケーションを基礎においた生産性向上に向けた取り組みこそ、世界に誇ることのできる財産である」と持ち上げながら、柔軟な雇用を推奨して非正規雇用の拡大を促しておったにもかかわらず、不況時にあっては賃上げなどもっての外で、派遣社員どころか正規社員までもリストラして企業の利益だけを求めるのは、経営者として健全な考え方である、とおっしゃりたいらしい。

[参考資料]
2007年版 経営労働政策委員会報告(概要)「イノベーションを切り拓く新たな働き方の推進を」PDF(日本経団連)


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投稿者 CMO
 
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