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日付 2009/03/27 13:57
 
タイトル 「行動ターゲティング広告」で乗り切れ大不況(羊)
 
カテゴリ
大不況のマーケティング
 

「不況の波は安売りで乗り切れ」 「ピンチはチャンスでもある」 「黄色で乗り切る大不況」に続き、大不況のマーケティング4回目である。

大不況である。企業は広告予算を削る。削りはするがやらないというわけではない。当然のことながら、やるからには「効く広告」を求めてくる。というわけでネット広告、わけても「行動ターゲティング広告」がアツい。

国内市場で今いちばん勢いがあるのは、ヤフー・ジャパンだろう(たぶん)。同社の行動ターゲティング広告の利用状況については

「2008年10-12月期は前年同期比で247%の伸び」(同社広告本部長・武藤芳彦氏)と、好調に伸びていることを明かした。また、行動ターゲティング広告を利用する企業の業種については、「不動産・建設」「金融・保険・証券」の利用が高いという。また、 「化粧品・トイレタリー」はここ1年間で利用が2倍に伸びたと説明した。
- 広告の進化は行動ターゲティングがカギを握る「行動ターゲティング最前線」-日経ネットマーケティング専門セミナー

こうなると、グーグルもきれい事は言っていられない。

Googleは米国時間3月11日、ユーザーの行動習慣に合わせた広告を表示する計画を明らかにした。同社によれば、この行動ターゲティング機能の追加は、広告をさらに「興味に即した」ものにすることを目指したものだという。
- グーグル、広告に行動ターゲティング機能を追加(CNET)

グーグルはこれまで、主にその時々におけるユーザーの興味に基づいて広告を表示してきた。たとえば、「Google」で「デジタルカメラ」を検索すると、デジタルカメラに関連する広告が表示される。また、同社の広告配信サービス「AdSense」を利用しているパートナー企業のウェブサイトを訪れると、サイトのコンテンツに基づいた広告が目に入る。たとえば新聞社のサイトでスポーツ関連のページを閲覧している場合には、ランニングシューズに関する広告が表示されるといった具合だ。そのグーグルがあらためて「行動ターゲティング広告」である。彼らの弁明は次の通り。

検索キーワードやウェブサイトの内容だけでは、関連性の高い広告を提供するのに十分な情報を得られない場合もある。当社は、ユーザーが訪れるウェブサイトに関する付加情報を用いることで、オンライン広告の関連性をさらに高め、有益なものにできると考えている。 本日、当社のパートナーサイトおよびYouTubeにおいて、「興味に基づいた」広告のベータテストを開始する。これらの広告は、ユーザーが訪れるサイト や閲覧するページの種類に基づいて、たとえばスポーツ、ガーデニング、車、ペットといったユーザーの興味分野をブラウザに関連づける。当社では、これらの 興味分野に関する情報を用いて、より関連性の高いテキスト広告やディスプレイ広告を提供することがある。
- 同

もちろんマイクロソフト(MS)も乗り遅れてはならじ。

マイクロソフトは4日、「マイクロソフト アドバタイジング」ブランドで展開するオンライン広告事業において、同社のアドネットワーク「DRIVEpm」を活用したターゲティング広告 『DRIVEpm Selector Program』の提供を開始した。リターゲティング/行動ターゲティング/地域ターゲティングなどを組み合わせることで、特定の利用者に対して最適な広告を配信できるとしている。
- MS、ターゲティング広告メニュー『DRIVEpm Selector Program』提供開始(マイコミジャーナル)

これだけ表だってくると、当然のことながら、プライバシー保護の観点から行動ターゲティング広告への反発も強い。ネット・セキュリティのグル高木さんもかなり早い時期から強い関心を寄せておられた。

インターネット広告は最近、 閲覧者のアクセス履歴から嗜好を分析して関心を持ちそうな広告を配信する「行動ターゲティング広告」にシフトしつつあるようだ。特に、日本ならではの事情 により、欧米には見られない方式の広告システムが今年になって続々登場している。これらにはプライバシーやセキュリティー上のリスクを伴うものもあるが、 はたしてユーザーはそれを承知しているのだろうか。(高木浩光・産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員)
- 行動ターゲティング広告はどこまで許されるのか(NIKKEINET)

高木さんの懸念を勝手に要約すると、「クッキーについて言えば、プライバシーの問題は比較的小さい。しかしながら、携帯サイト向けの広告において、行動追跡の実現手段として『個体識別番号』を用いるものには問題がある」ということになる。

携帯電話の携帯IDはクッキーのように削除することができない。いったん契約者に割り振られたID は不変である。そのため、携帯IDを用いた広告が普及すると、広告会社により追跡される可能性は携帯電話を解約するまでの何年にも渡って続いてしまう。このことを利用者らは理解しているだろうか。
- 同

個人が携帯するものはすべて同じようなリスクを抱える可能性がある。携帯はその代表だが、ICタグ(RFIDタグ)についてもかなり以前から問題提起はされてきた。本日の締めくくりとして、日経サイエンス2008年12月号の記事を掲げておく。

プライバシー2.0を考える
E. ダイソン
 現代社会で一般市民のプライバシーが侵害されていることは疑いようがない。今日,ほとんどの米国人はネットでつながっており,そして多くの人は「いったいどうやって,私に関するそんな事実を知ったんだ?」と思った経験が一度ならずあるだろう。米国政府はさまざまな場面で市民の個人情報を収集し,その情報 収集活動もわかりにくくなっている。誰かが,とりわけ政府が,私たちの素性を調べる試みをしさえすれば,もはや匿名のまま行動するのは難しい。
 一方では,個人情報を開示してもいいのではと思わせる状況も新たに生じている。1つは個別化医療(オーダーメード医療)が近く実用段階を迎えることだ。 カルテなどから得られる詳細で正確な医療情報と遺伝情報があれば,患者ごとに最適の治療ができる。そうしたデータは疫学上の分析にも役立つので,社会全体 の福祉を高めることにもつながるだろう。
 2つめは多くの人がソーシャルネットワーク(友人や知人などのつながりでできたネットワーク)のサイトで自身の個人情報を他人と共有して楽しむように なったこと。3つめに,これは好ましいことではないが,テロの脅威が高まっていること。安全とセキュリティーの確保という名の下に,多くの人が政府に個人 情報を提供せざるを得ない状況になっている。
 過去においてプライバシー問題の多くがあまり重視されていなかったのは,個人情報の収集が困難だったからだ。しかしネット社会が到来し,そうした困難は ほぼ消え去った。今や普通の人々の私生活も有名人並みの衆人監視の下にある。日々の行動は筒抜けで,体重の増加や日常のちょっとした不運な出来事などが話 題にされる。かつてはあからさまに尋ねられることのなかった類の質問も浴びせられるようになった。「あの昼食はデートだったの?」「あなたの一番の友人は 誰?」などと。
 今回の特集は主に,プライバシーを脅かす技術的要因と,逆にプライバシーを守る技術を扱っている。ここでは,現在のプライバシー問題を考える上で基本的なポイントを提示したい。KeyWord= プライバシー/公表する権利/個人情報/ウェブ2.0/個別化医療/DNA/SNS/利益相反/フェースブック/ビーコン/保険/遺伝情報/ソーシャルネットワーク

本日の知恵のネットワークス:

Esther Dyson
ネットベンチャー企業の活動的な投資家として知られる。投資先は遺伝子情報サービスの23アンドミー,難病患者のソーシャルネットワーキング・サービスのPatientsLikeMe,迷惑メール対策サービスのBoxbeなど。ほかの9人とともに自身の全遺伝情報と関連した健康情報をパーソナル・ゲノム・ プロジェクトで公表する予定。「先だって健康保険に加入しようと思い,代理店を訪ね,私のゲノムを知りたいかと尋ねたら丁重に断られた」という。ネット社 会でのプライバシー問題を扱った著作「Release 2.0」を1997年に出している(邦訳は『未来地球からのメール 21世紀のデジタル社会を生き抜く新常識』吉岡正晴訳,集英社,1998年)。


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投稿者 CMO
 
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