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日付 2009/10/16 13:13
 
タイトル ブランドとディスプレイの将来(羊)
 
カテゴリ
ブランドとその周辺
 

ほとんど話題にならなかった「Sisomo: The Future on Screen」(2005年)の著者ケビン・ロバーツによれば「私たちは、石器、産業、製造、情報の時代を経て、今、新しいスクリーンの時代に突入している」という。当時はピンとこなかったが、今考えれば大いにうなずける、というか、ごく当たり前の主張である。もっと注目されていい。


SISOMO(シソモ)とは、SIGHT(サイト=情景)SOUND(サウンド=音)MOTION(モーション=動き)という3つの言葉の頭文字を綴った造語である。消費者のさまざまな場面に登場しているスクリーンを、マーケティング・メッセージの有効なメディアとして使うには、この3つの要素が絶対に必要だ、とロバーツは考える(楓セビル)。PDF

「パソコンやPDA、DVDやゲーム、スポーツ・ビルの壁に現れた巨大ビデオスクリーンからスーパーなどのインストア・デジタル・ディスプレーまで、われわれはいまスクリーンに取り囲まれ、スクリーンから情報を受け取り、スクリーンが提供するエンターテインメントを楽しみ、時にはスクリーンとインターラクト(双方交通)する。まさにスクリーン時代の到来だ」(ケビン、訳は楓セビル)。

2005年と違って2009年の現在は、インストアでもなく、ビルの壁面でも巨大でもないビデオ・スクリーン(デジタル・サイネージ)が普及したことで、ケビンの主張がもっとなじみやすいものになった。

「テレビから始まったスクリーン文化は、茶の間から飛び出し、消費者とのコンタクト・ポイントの最前線となった。このスクリーンを支配するのがSISOMOだ。」(ケビン)

「スクリーン」を「ディスプレイ」に置き換えれば完璧だが、しかし、格別新しいことをいっているわけではない。SIGHT(サイト=情景)SOUND(サウンド=音)MOTION(モーション=動き)は、まとめれば「動画」ということであり、ケビンはつまり、「マーケティングに有効なこれからのメディアは、動画だ」と主張しているにすぎないからだ。

それでは、なぜ動画なのか。ケビンの言い分を聞こう。

「サイト、サウンド、モーションは人々の心を揺り動かす最も有効な要素である。人間は興奮を愛する。形や色を享受する。音楽に心を燃やす。動きにも引かれる。21世紀は右脳が改めて尊敬される時代だ。われわれの分析的能力が、情報過多の時代の中で喘いでいる。いま、クリエイティビティ、共感、霊感、感情的コンテクストなどの価値が再評価されている。ありがたいことにだ。それをソシモ・ブレーンと名づけよう。」(ケビン、訳は楓セビル)

共感はともかく霊感はどうかと思うが、「人間を動かすのは、理屈ではなく感情である」というケビンの心情は、同時期に出版されたブランド戦略に関する彼の著作「lovemarks」(ラブマーク)にも十分に吐露されている。


ブランドを超える「ラブ」(ここで愛としなかったのは、情愛・性愛と区別したかったため)をカスタマーから得るための指南書。目で楽しめて、ブランド戦略の基礎が学べて面白い。(柏野雄太)

「ロイヤルティ」(忠誠)のかわりに「ラブ」(愛)を持ってきたところが新しいのかもしれないが、さていかがなものであろうか。それはともかく、本書にはこれからのブランディングに必要ないくつかのキーワードの一覧が掲載されている(第6章)。従来のブランディングとどこが違うのか、あるいは違わないかを見定めるのに都合がよいので写しておく。


最良のブランドは「トラスト」(信頼)であったが、真に偉大なブランドは「ラブ」である、ここにその違いを挙げる(ケビン)。


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投稿者 CMO
 
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