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日付 2010/03/11 16:29
 
タイトル リスクをとる・2年目の通信簿(羊)
 
カテゴリ
大不況のマーケティング
 

やられっぱなしの国内テレビ・メーカーだが、「本物」志向で口コミを呼びシェアどん底から復活した東芝や、09年第2四半期から黒字となっているシャープ、第3四半期から黒字転換したソニーなど回復基調にある中、パナソニックだけがよくない。

赤字が止まらないパナソニックのテレビ事業に“黄信号”灯る
シャープそしてソニーと直近の四半期決算で競合メーカーが軒並みテレビ事業の止血を達成する中で、いまだに100億円超の事業赤字に喘ぐパナソニック。なぜパナソニックだけ低迷が際だつのか。そこには、同社固有の根深い構造が横たわっている。(東洋経済オンライン2010.03.11)

これはどうしたことだ? 100年に一度の大不況に直面したテレビ業界。その対策として、拡大と縮小の2つの「リスクのとりかた」があるとして、昨年5月に羊があげた企業がパナソニックとソニーだった。

薄型テレビ市場が不況に見舞われ、国内メーカーが軒並み苦戦を強いられる中、パナソニックは強気の出荷計画を立てている。2009年度(2010年3月 期)の出荷目標は1550万台と、08年度実績(1005万台)の約1.5倍。「他社が生産を増やしていない今がチャンス」と、大坪文雄社長の鼻息は荒 い(ITmedia News 2009.05.18)。不況時にシェア拡大を目指すのは「強者の戦略」としてはごく普通ではある。一方、「08年度を下回る生産台数目標を設定して収益を優先したソニー」(同) は、戦線縮小というリスクをとったわけだから、これまた不況時の選択としてはまともであろう。吉の目がどちらに出るかは、運次第。過去の事例をみても「勝ちに不思議の勝ちあり」以上の観測は導き出せそうもない。
- リスクをとる(羊)

さてどうなったかというと、冒頭の通り。勝因・敗因らしきものについて、東洋経済の西澤佑介さんが荘重にまとめてくれている。

 激しい価格競争に直面するテレビメーカーの意志決定はつねに、「数量よりも1台の利幅を重視する」か、「値引いてでも市場での存在感(シェア) を優先する」か、というトレードオフの中でせめぎ合う。今10年3月期は、シャープやソニーは前者寄りのスタンスをとり、年間の販売台数計画を前年並みと 控えめに設定した。結果として世界市場のシェアは落としたものの価格下落を緩和でき、収益性は改善した。それとは対照的なスタンスをとったのがパナソニックだった。今期の薄型テレビ販売台数目標を前期比54%増の1550万台と強気に設定。実際4~12月までの結果は前年同期比47%増とほぼ筋書き通りの 進捗だ。とりわけ商品点数拡充や販路拡大などに力を注いだ北米地域が2ケタの伸びを示し、北米市場シェアを08年末に比べて2ポイントも増加させた。
 これは半面、何をもたらしたか。インターネット小売り大手「AMAZON.COM」の米国本家サイトを見れば明らかだ。ここでは、パナソニックの「ビエラ」が、信じられないような安値で売られている。新型の32型液晶テレビがなんと定価の約50%オフ、日本円換算に直すとざっと4万円で購入できる。 「AMAZING VALUE(すごいお買い得だ)」「This TV Rocks(このテレビは私の心を震わせた)」。購入したアメリカ人の評価を見ると、誰もが手放しの喜びようだ。実際に同サイトのテレビの販売ランキング でも韓国勢と並び上位に食い込んでいるが、メーカーとしては喜んではいられないだろう。パナソニック全社ベースの数字を見ても、販売した薄型テレビの平均 単価は前期と比べて3分の1も下落している。(東洋経済オンライン2010.03.11)


★★★★★Awsome price for what you get, March 9, 2010
By Brian J. Perkins "Shawnee1756" (Baltic, OH)


西澤さんがあげたパナソニックの敗因は実はもう一つあるのだが、詳細は省く。勝手にまとめると「設備投資で大金使ってるのに、安売りしたから赤字になった」となるだろう。入る金より出る金の方が多いと赤字になるというのは、羊にとって(羊でなくても)当たり前の話。パナソニックは承知で「リスクをと」ったわけだから、たとえば「液晶安売りで他社を潰しプラズマでがっちり稼ぐつもりが、安い液晶ばかりが売れた」とか、「今年は負けたが、来年は勝つ。その理由はこうこう」とか、もう少し突っ込んだレポートが欲しいところだ。それができないなら、「今年はつきがなかった」(羊)以上の結論は導き出せそうにない。


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投稿者 CMO
 
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